岩手の和紙を全国へ世界へ

和紙との出会い

​活動のきっかけはコロナの流行でした。
緊急事態宣言がでて観光客が激減。 猊鼻渓で有名な東山町でお土産屋さんをやっている紙漉き職人の友人はどうなっているのだろうと気になって訪ねてみると 『もともと和紙の需要も減っているし、続けていくのは難しいかも..』 とすっかりやる気を失っていました。

800年以上続いてきた和紙がこのまま衰退していっていいのだろうか?

歴史が途絶えてしまうなんてことだけは止めたい。でも、実際岩手でもあまり知られていない...

私たちにできることはなんだろう?和紙を漉くことはできない。 でも…和紙を使って作品を作り、和紙の価値をたくさんの方に伝えることならできる。 東山和紙を後世に繋げることができるように、そして伝統が途絶えることがないように応援していこう…と強く決意したのがきっかけでした。

活動を始めて5年

コロナが流行しマスクが必需品となっていたので、最初に制作したのは 『和紙マスク』 でした。 マスクを作る上で和紙の良さを研究していくと、すぐに和紙の魅力に気づき、沼にはまっていきました。 それは、和紙の持つ機能の素晴らしさ・自然の持つ力の凄さを知ったから。

和紙にこんにゃく糊を塗布すると、耐水性が増し丈夫になる。紫外線や赤外線を80~90%カットするなど、繊維が複雑に絡む和紙ならではの機能。

実際に使ってみると、紙なのに洗えるし、使い心地が良いことに驚きました。 自然の持つ力は形を変えても生きているという事に気づかされたのも和紙のおかげです。

日本の伝統文化

和紙に触れ、和紙について調べることで※折形(おりがた)や水引などの優れた伝統文化にも出会いました。 かつて楮は神様への捧げものに用いる神聖な糸。水引は紙縒 (こより) で類をみない日本だけのもの。​

岩手の和紙

楮(こうぞ)の自家栽培から手漉きまで一貫生産 岩手には和紙を作っている工房が4か所あります。その全ての工房において ~一貫生産~ と言えるのは岩手だけ。
自然豊かな土地で育てた原料と水の上質な素材があるからこそできる和紙。

手漉き和紙は各地にありますが、岩手の土・空気・水で生まれ、強さとしなやかさをあわせ持ち、温かみのある風合いを持つ。

それが心和温が惚れ込んだ岩手の和紙です。​

和紙に触れて感じること…

それは…手触りの心地よさや温かみ

地元の楮と清らかな水を使い、職人の技で生み出される一枚の和紙。

この一枚の和紙は書く・描く・貼る・折る・包むなど様々に形を変えることができる唯一と言ってもいい、素晴らしい伝統工芸品なのだという事に改めて気づかされたのです。​​​​

岩手の和紙の現状

岩手には現在3種の和紙があり県内各所で和紙職人が紙を漉いています。
それぞれ職人の高齢化など、存続の危機に直面しており次世代へ技術を継承することが求められていますが、後継者不足が課題になっています。

東山和紙 (とうざんわし)

奥州藤原氏の時代から800年以上伝統が受け継がれてきた技法は、「東山和紙製造技法」として一関市の無形民俗文化財に指定されています。 

昭和初期には約280軒で行われていたという紙漉きが、今ではわずか2件となってしまいました。

猊鼻渓のある美しい自然と清らかな水のある東山だからこそ作りだせる高品質の和紙は、12月から2月の厳冬期だけに作られます。その理由は水温が上がると、ネリの粘度が弱まり、どうしても紙が厚くなるから。高品質を保つため凍てつく寒い時期に紙を漉いているのです。

手から手へ、人から人へ受け継がれた東山和紙、楮の手入れから紙漉きまですべて職人の手仕事で行われています。最大の魅力は丈夫で長持ちすること。中尊寺の古文書は800年以上経っても虫に食われることなくきれいに残っているといいます。    また、未晒(みざら)しの原料なので日の光に当たると時間と共に白くなっていく性質があり、年数が経っても文字がきれいに見えます。障子紙でも10年持つと言われています。

成島和紙 (なるしまわし)

東和町に300年以上も前から続き、「北限の和紙」とも呼ばれる花巻市指定無形文化財に指定されている成島和紙。現在紙を漉いている職人が1人だけとなりました。

地元産の楮とノリウツギのネリを原料に素朴で味わいのある様々な用途の和紙が作られています。

成島和紙工芸館では、和紙を漉く体験や成島和紙で作られた作品も購入することができます。3年ほど前地域おこし協力隊として成島和紙の普及活動をされた方が、協力隊を終えた後も東和町に残り和紙の普及に尽力中です。

閉伊川紙 (へかわし)

昭和20年あたりですっかり途絶えた閉伊川紙のことを語り継ぎたい。

その想いから基本的な紙の漉き方を東京の紙漉師に学びに行きさらに、東山和紙の短期講習を受け、紙の漉き方を覚え1人で始めたのが14年前

閉伊川紙と名乗ってよいのか何度も悩んだようですが、一番大切なのはここで閉伊川紙が作られていたこと、そしてそのことを伝え続ける事。そのために紙を漉くということ。だからこそ原料だけは地域に残る楮を使いたいと思い地域に残る楮を伐らせてもらいながら、根っこを少しずつご自身の工房に移植して大切に育てる徹底ぶり。

楮の栽培から紙漉きまで、さらに便せんなどに押すハンコに至るまでご自身で行っています。それはすべて庶民が培った大事な文化を少し先まで語り継いでいきたいという熱い想いから…。ブログにはそんな想いや工程などわかりやすく描かれています。

 

繋ぐ活動を

心和温は今までイベント出店・ワークショップ ・体験学習などの活動をしてきました。​

これからは 『岩手の和紙を全国へ世界へ』 を合言葉に工房の職人と生活者を繋ぐバイヤーとして以下の活動をして行きます。

1 工房の販促支援 

  ・ 展示会出展・企業バイヤーアテンド

  ・ イベント出展 (和紙販売・加工品販売)

  ・ ワークショップ開催開催 
    (和紙を使った小物制作)

  ・ 工房体験 (紙漉き)

2 工房の連携支援

  ・ 商品企画開発 (和紙・和紙小物)

​  ・ 販売店店舗プロデュース

  ・ 販路開拓支援

  • 体験学習

  • 体験の様子

  • イベント出店

  • 展示販売

心和温の夢

岩手の紙漉きの里で、若者から高齢者が和紙作りに様々な形で関わりを持ち
地域を盛り上げていく一助となるように。
 そして、それが次の世代に繋がって伝統が継承されていくこと。

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